プロが解説!「マンション標準管理規約」をかんたん解説 第5回「専用使用権」 | アセタス

プロが解説!「マンション標準管理規約」をかんたん解説 第5回「専用使用権」

重松秀士
重松秀士

今回は、バルコニーや専用庭などに発生する「専用使用権」について、かんたんにご説明します。

「専用使用権」

マンション管理規約に記載されている「専用使用権」。実は、この「専用使用権」は、区分所有法には記載されていないのです。
ではこの「専用使用権」とはどこに摘要されるのでしょうか。

マンション標準管理規約の記載内容

マンション標準管理規約では、「専用使用権」は以下のように記載されています。

(バルコニー等の専用使用権)
第14条 区分所有者は、別表第4に掲げるバルコニー、玄関扉、窓枠、窓ガラス、一階に面する庭及び屋上テラス(以下この条、第21条第1項及び別表第4において「バルコニー等」という。)について、同表に掲げるとおり、専用使用権を有することを承認する。
2 一階に面する庭について専用使用権を有している者は、別に定めるところにより、管理組合に専用使用料を納入しなければならない。
3 区分所有者から専有部分の貸与を受けた者は、その区分所有者が専用使用権を有しているバルコニー等を使用することができる。
3

出典 マンション管理規約 – 国土交通省
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/mansei/manseikanri.htm


バルコニーや玄関扉、窓枠、窓ガラス等、は共用部分となっています。区分所有者の部屋に密接していますから、専用に使用してもよさそうですが、なぜ共用部分となっているのでしょうか。

バルコニー

バルコニーが共用部分となっているのは、緊急時の避難経路となっているためです。勝手な改造をしたり物を置いたりすると避難の妨げとなりますし、アンテナの設置や布団の干し方等も周辺の安全やマンション全体の景観にも影響します。そのため管理規約や使用細則で利用方法等を定めています。

共用部分ですから経年劣化による計画修繕や突発的な事故への対応は管理組合の責任と負担で行います
ただし、通常の使用に伴う管理(普段の掃除やお手入れ)は、専用使用権を持つ者の責任と負担で行います

窓ガラスや玄関扉

窓ガラスや玄関扉が共有部分となっているのは、マンションの安全性に関係しているからです。
建築基準法第2条第6号で規定されている「延焼のおそれのある部分 」に設置される開口部には一定の防火性能が必要ですし、防火区画となっている壁に設置される建具(玄関扉等)にも建築基準法や消防法等で防火性能が要求されています

またバルコニー同様、マンション全体の景観を維持するためにも区分所有者は、窓枠やガラス、玄関扉を自由に変更することはできません。
一部屋だけ違う窓や扉では見た目も悪いですよね。

ただし、区分所有者の過失ではない破損の場合は、共用部分として扱われているため、管理組合の責任と負担で修繕が行われます。

1階に面する庭(専用庭)

マンションの1階の住戸には、庭がついていることがありますね。一般的に専用庭といわれ居住者が花壇を作ったり木を植えたりすることができますし、遊具や物置を設置することができる場合もあります。
しかしその庭も基本的には共用部分と同様に管理(区分所有法第21条)することになっており、管理規約や使用細則に明記されている用法を守らなければなりません。
具体的には、花壇の大きさ、植えてもよい木の種類、遊具や物置の設置条件等について細かなルールが定められています

駐車場

なお、駐車場の場合は、今まで説明した「専用使用権のある共用部分」とは少し異なります。一部の例外を除き駐車場は「附属施設」といわれます。その管理は共用部分に準じて行われますが、駐車場を使用する権利は、管理組合との「使用契約」に基づく権利で、一般的には「専用使用権」とはいいません

注)分譲時に分譲業者が、一部の区分所有者が駐車場を専用使用できる権利を分譲したり、旧地主が同様の権利を設定した状態のことを「専用使用権」という場合もありますが、この方式はトラブルが多く現在ではほとんど行われていません。

この使用権は、バルコニー等のように特定の住戸の居住者が規約等に基づき排他的に使用できる「専用使用権」とは異なります。

例えば、駐車場の使用契約が解除されれば駐車場を使用する権利は消滅しますし、駐車場を使用していた区分所有者がマンションを売却してしまった場合も同様です。

その住戸を購入した新しい区分所有者は、前区分所有者が使用していた駐車場を必ず使用できるとは限らないのです。

共用部分なのに管理責任が異なる?

共用部分は管理組合の責任と負担で管理を行うことが前提ですので、計画修繕や破損した場合の修理等は管理組合が行います。しかし、専用使用権が設定されている共用部分については、日常の手入れ等は専用使用権者が行わなければなりませんし、過失等で破損した場合も専用使用権者の責任になります。

このように、共用部分であっても「専用使用権」が設定されている個所については、問題が発生したときに、それが管理組合の責任範囲なのか専用使用権者の責任範囲なのかの判断が難しい場合もあり、トラブルは非常に多くなっています。
共用部分が壊れてしまったり、修理が必要になった場合には、勝手に修理を行う前に、まずは管理組合に相談してくださいね。

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当コラムは執筆時の法律・判例に基づいております、参考にいただく際は最新の法律・判例を確認頂きますよう、お願い致します。また、平易な表現により、一部の例外・解釈等を簡略化している場合がございます。正確には個々のマンションの管理規約等、区分所有法等をご参照ください。
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