マンションにおけるペット問題。ルール違反者にはどのように対応すべきか | アセタス

マンションにおけるペット問題。ルール違反者にはどのように対応すべきか

稲葉早苗
稲葉早苗

マンションでのペット問題は飼育禁止でありながらペット飼育者がいる場合の対処方法に苦労している管理組合(理事会)が多いと思われます。
このような時マンション管理士は、理事会に必要適切な対処方法に関するアドバイスを行っています。

ペット飼育禁止のマンションでの飼育違反者について

管理規約に反する行為を行っている組合員や入居者(以下、「組合員等」という。)に、その是正を求めることはごく当たり前のことです。しかし、建物等の修繕をするといった事業を進めることと違って同じマンションに住む組合員等に是正を求める行為そのものに躊躇する管理組合が多いのが実態です。

特に、ペット飼育禁止のマンションでのペット飼育に関しては、その確証を得るにも時間がかかる上、1回2回の是正要請でそれに従うことは極めてまれなことが多く、そうこうしているうちに理事会は役員交代を迎え、引継ぎが不十分だと後回しにされたりすることもあります。対応が遅くなることで問題が深刻化することもあります。
imasia_9924769_M

そもそも、なぜペット禁止なのか

私は犬や猫に囲まれて暮らしましたので、動物は好きです。幸いなことにアレルギーなどで体調が悪くなることはありません。
しかし、中には動物アレルギーを持つ方もいらっしゃいます。
またのような方たちは、「ペット飼育禁止」のマンションだったから購入を決意したという意見が少なくありません。

ペット飼育禁止としていても、盲導犬や聴導犬、介助犬ならば可能というマンションもあります。ペットではないもののアレルギー等を持つ方には深刻な問題ですから、マンションの購入や入居を検討する際には事前の管理規約のチェックが重要です。

管理組合ではどのように対策が必要か

ペット飼育禁止のマンションでの飼育違反者への対処

○管理規約の手順に従い、違反者には文書などで注意し飼育を止めてもらう。

マンション標準管理規約(単棟型)第67条(理事長の勧告及び指示等)では<抜粋>
 法令、規約又は使用細則等に違反したとき、又は対象物件内における共同生活の秩序を乱す行為を行ったときは、理事長は、理事会の決意を経てその区分所有者等に対し、その是正等のため必要な勧告又は指示若しくは警告を行なうことができる。

出典:国土交通省マンション標準管理規約

是正要請も受け入れられず話し合いも不調となれば、最終的には法的措置を検討するという手順になります。

話し合いの結果、総会の決議を経て飼育中のペット一代限りは認めるという管理組合もあるようですが、隠れて飼育する場合があったりすれば一代限りの確認などが難しいなど、その管理方法についても十分に話し合いルールを決めておくことが望まれます。

○ペット飼育を可とする規約変更を行う。
近年では、ペット可能のマンションも増えてきたために、「ペット飼育可能のマンションのほうが価値はあるのではないか」という意見も出ています。そのために、マンション管理規約そのものを変更する動きも見られます。
ただ、その一方で「ペットが飼えないから価値がある」と考える組合員も存在します。
例えば、冒頭に申したようにアレルギー体質等で健康上に問題がある方が反対した場合、たとえ4分の3の賛成をとったとしても、規約の変更は認められないこともあり得ます。

○日頃から、ペット飼育禁止である旨の周知徹底をする。
ペット飼育に限らず、マンションのルールを広報しておくことが重要です。

具体的な解決の事例

ペット問題に関して、なかなかスムーズに解決にたどるケースは稀です。しかし、管理組合がしっかりと機能し早目に対処することで、裁判もせずに解決できることもあります。

私が過去にかかわらせていただいた築2年の管理組合では、ペット飼育は許可されていたのですが、その数や大きさなど飼育に関する詳細について細則等でも規定していました。しかし、規定に反する飼育者が数件ありました。ある方は、「契約の時に飼育可能と言われた」として大型犬を飼育し、ある方は規定数を超える猫を飼育していました。

理事長がはじめに行ったことは、役員間での意思統一を図り違反者にどのように対処していくかしっかりと話し合う事でした。
管理会社からの是正要請のほか、組合からの文書も順を追って内容を具体化して行い、最終的には、役員数人で個別に是正要請を行いました。
結果、大型犬の飼育者は退去され、規定数を超えるペットは親族に預けたりすることで解決となりました。
色々なご意見も寄せられましたが、管理規約遵守の姿勢を崩さす理解と協力を説いていった役員の努力の賜物と思われます。当時の理事長の見事なまでの手腕でした。

ペット飼育可能なマンションでもルールはある

戸建てと違い、たとえ区分所有者だとしても、自由にペットが飼育できるわけではありません。
マンションにより違いますが、例えば以下の様な決め事があります。

  • ペットの種類
  • ペットの大きさ
  • 飼育するペットの数
  • 廊下を歩くときはケースに入れる
  • ベランダでのブラッシング禁止
  • エレベーターでペット苦手な人と同乗するときは配慮する、または降りる

ペット飼育者によるペットクラブ等を設置して、適正な飼育に関する活動などを行っている管理組合もあります。

ルールが守られているマンションほど価値がある

問題が山積みの理事会では、ペット問題は申し送りになる場合があります。
長年放置することとなれば、禁止にもかかわらずにあちこちで違反者が溢れ、もはや禁止ということすら念頭にない組合員も現れます。
このような基本的なルールが崩壊しているマンションでは、新たなルール違反も頻発することにもなりかねません。

違反飼育の疑いはあったものの積極的な行動に移すことなくその対処について先送りしていた結果、ペットの臭いが原因でお子さんが玄関先で嘔吐するまでに至った事例もあります。

人によってそのマンションの価値をどう捉えるのかは様々と思われますが、外見だけでなく、こうした基本的なルールが守られていることも重要なポイントと考えられます。
管理規約がマンションの最高自治規範と言われること自体にもっと関心を持っていただけると良いと思います。

管理規約・使用細則の変更はASETUS(アセタス)にご相談ください

管理規約や使用細則を変更する場合は、その背景にマンション特有の課題や問題があるため、単に変更案を作成して総会に提案するだけで簡単に承認に至るものではなく、また、承認されたとしても、変更後のルールを円滑に機能させるのは難しいものです。
アセタスでは、背景にある課題や問題を把握・分析し、居住者・管理組合のことを考えた「管理規約・使用細則の変更案の作成」や「組合員に対する説明と総会決議までのサポート」などを通じて、マンション生活のクオリティの向上のお手伝いを行っております。是非ご相談ください。

当コラムは執筆時の法律・判例に基づいております、参考にいただく際は最新の法律・判例を確認頂きますよう、お願い致します。また、平易な表現により、一部の例外・解釈等を簡略化している場合がございます。正確には個々のマンションの管理規約等、区分所有法等をご参照ください。
お電話・訪問によるご相談・カウンセリングは無料です
多くの管理組合様をサポートした経験から最適なご提案をいたします。
メールのお問合わせはこちら
お電話でのお問合わせはこちら:03-6273-7666:土日休日対応
共有画像
このページのURLをメールで送る メールを送信する

メディア活動実績

新聞・雑誌・書籍50
テレビ・ラジオ5
セミナー・講演・会議等65