老朽化マンションの建て替えを考えること【法律・費用・住環境の維持】 | アセタス

老朽化マンションの建て替えを考えること【法律・費用・住環境の維持】

川原一守
川原一守

今後築年数が40年、50年を迎えるマンションが増加してきます。購入時は立地や広さ、間取りに目が向きがちですが、築年数を経るに従い、老朽化した後の不安を抱える所有者もいるでしょう。老朽化して建て替えの検討をしたい場合のポイントをお伝えします。

新しいマンションが建つ一方で、老朽化の問題を考えなければならない物件もでてきています。当時の公団住宅によって昭和30~40年代に多くの団地が建設され、その頃から分譲マンションも一般的なものになりました。そのため、築年数が40年、50年を迎えるマンションが今後増加してきます。
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建て替えを考える時に、検討すべきこと

マンション購入時には、古くなった物件はどうなるのか、どのような選択肢があるのかまで考える余裕がないのが現状ではないでしょうか。今回は、老朽化したマンションを建て替えしたいと考えた場合、どのようなことを考えなければならないかをお伝えします。

マンションの建て替えを考える場合、その物件からどんなマンションを建てることが出来るのか、資金面ではどのくらい必要なのかなど、様々な確認が必要になります。

現在の法律では、どんな制約を受けるのか・・・既存不適格の確認

その中でもまずは、既存不適格に該当するかを確認しなければなりません。
既存不適格とは、日影規制や耐震強度など、マンションが建築された当時の法律から様々な改正がされているため、今の基準に照らさなければならないという意味です。容積率、つまり床面積は都市計画で定められていますが、接する道路の幅などの規定があります。

敷地面積に対する建築面積を定める建ぺい率も、防火や住環境の配慮のために規定があります。例えば今のマンションが5階建てだとしても、今の法規に照らし合わせると3階の建物しか建てられないということです。

タワーマンションなどの高層物件は、市街地再開発事業等で特例を受けた地域の場合建てることができます。このため、東京などの都心部では、ほとんどの場合は同じボリュームのものは建てられないと考えられています。

建て替えのための資金

既存不適格をクリアできた場合、例えば比較的広い面積を持っていて、容積率にも余裕がある物件は今よりもボリュームの大きい建物への建て替えを検討できます。
今よりもボリュームの大きい建物を建てる場合は、デベロッパーも余剰の床を売却することにより利益が見込めて参加できるため、建て替え事業が成功する確率が高いといえます。その場合、マンション所有者も比較的有利な条件で部屋を所有できる可能性も高いでしょう。このようなケースでは、私たちマンション管理士が間に入って建て替えを希望するマンションの管理組合と建て替えを専門に行うデベロッパーとをつなぐことも可能です。

デベロッパーが参加できない場合、所有者が資金を全て調達して建て替えを行うことも可能ではあります。しかし個人で何千万円、全体で何億円というお金を準備するというのは現実的には簡単ではありません。

いずれにしても、今住んでいるマンションの建て替えは、必ずしも同じようなボリュームで建て替えられるとは限らないことを認識しておく必要があります。また、資金面や、管理組合での合意形成などクリアしなければならないことが多く、計画をしても実施できるまでに時間がかかるケースもあります。

建て替えを実現するためにも、住環境の維持を

法律上もクリアし、資金面でも無理のない形で建て替えができればいいのですが、そういった物件ではない場合もあるでしょう。建て替えにまつわることを確認することも大切ですが、建て替えを検討した場合に実施できるような環境も必要です。

つまり、住まいとしての良好な住環境を維持できなくなり所有者が管理組合への関心を失い、管理費等を滞納したり義務も果たさなくなってしまっているような物件になってしまうと、建て替えの実現以前に建物を維持することすら難しくなってしまいます。そのため、適切な修繕をして長く住めるようにしようというのが基本的な考えです。そういった環境を維持しながら、建て替えや売却といった選択肢を考える事になります。

所有者が安心して住み続けられる環境を維持するために、建物や設備の老朽化を食い止めなければいけません。
例えば、雨漏りするような物件は住居として致命的ですね。ところが適切な修繕が行えなければ、雨漏りがしてから直すことになってしまいます。10数年毎の大規模修繕では、防水や外壁の塗り直しだけではなく、鉄筋コンクリートの止水機能を維持したり、錆を落として腐食する前に塗り直したりされています。

また、普段目に見えないために実感しにくい配管などの設備の点検・維持も必要です。これらの工法もいくつか方法があります。

老朽化を食い止めるための、適切な管理

建物や設備の劣化を防ぐためには、適切な長期修繕計画と、そのための修繕積立金が必要です。多くの物件では、初期設定として修繕費の段階的な引き上げや、一時金の徴収が見込まれています。管理組合では、これらの検討をしなければなりませんが、修繕積立金の引き上げを先送りしてしまうケースも多いでしょう。

物件を長期的に良い環境で維持するためにも、早めに見直すべきところは手をつけたほうがいいのですが、順番で回ってくる管理組合の役員で、同じ立場の区分所有者に対して修繕積立金の引き上げを提案することはできればやりたくないと考えるのは無理もないと思います。マンション管理士は管理組合、管理会社とは違った独立した第3者の立場で物件の状況を調査し、アドバイスすることが可能です。現実的な状況に出来るだけ早く気づき、無理のない長期的な計画をつくっていくお手伝いができればと思います。

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当コラムは執筆時の法律・判例に基づいております、参考にいただく際は最新の法律・判例を確認頂きますよう、お願い致します。また、平易な表現により、一部の例外・解釈等を簡略化している場合がございます。正確には個々のマンションの管理規約等、区分所有法等をご参照ください。
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